aguko29のブログ

望みのほとんどは叶わなかったけれど

沈丁花の季節にて(私のベース)

 

もうすぐあの子の命日が

今年もやってくる。

 

小学1年生の時に

突然の事故により

この世から去ってしまった。

 

同じクラスで、同じ町内会だったけど

私とは、全く共通点がないくらい

違う世界の人だった。

 

頭が良く、品がある

優しい男の子。

 

クラスの子達は、私から

どんどん遠ざかり孤立していたが

分け隔てなく接してくれていた。

 

まだ、人の死という意味も

よくわからない年齢だったから

クラス全員で参列した葬儀の時

 

(明日に戻ってくる)って

独りで頭の中で呟いていたことを

覚えている。

 

 

しかし、実際はそんなことにはならず

葬儀から暫く経ったあと

 

お母様が

ロッカーに遺された遺品となってしまった物を引き取りにいらした時に

 

ようやく、亡くなったのは事実なんだ…

と思い知らされた。

 

その時に、もう一つ思い知らされたのは

親…特に母親は、どんな時も気丈に振る舞わなければならないということ

 

葬儀の時も、ご自分のことより

参列していた私達のことを

すごくお気遣いしてくださってらした。

 

果たして私は?

 

残念なことに

そういう人にはなれなかった。

 

 

それからの私はクラスから

さらに浮いた存在になり

 

精神も病んでしまった状態になり

特に学校生活において困難極まりなく

休みがちになった。

 

そうなると、家でも非難の対象に

常に晒され、責められ

居場所もなかった。

 

一番象徴的だったのは

家族で食卓を囲むとき

 

私が座るとテレビが見えないと言われ

一人小さなお膳を用意されて

皆がテレビを観れる位置にズレて

座っていたことだ。

 

そんな生活が続き、不眠症になった。

夜眠れないのも辛かったが

夜になるのが怖くなってしまった。

 

夜の闇は私に色々な体験をさせてくれて

怖かったということもある。

 

でも、時々眠れる夜もあった。

 

そんな時に見る夢は、何故か同じ内容で

あったことが度々…

 

そう、亡くなったあの子が出てくるのだ。

 

大人になったあの子。

 

どうやら私も夢の中では

大人になっていたようで

 

きちんとした身なりで

待ち合わせ場所に行く

 

着いて、あの子が優しい笑顔で

迎えてくれるところで

必ず夢は終わり目が覚める…

 

しかも、決まってまだ夜中。

 

会えた嬉しさを味わっただけに

覚めて現実に戻った悲しさが

倍増する。

 

夢を重ねている間に

あの子に恋をしたようだ。

 

だから、嫌なことがたくさんある現実から

脱出して、あの子のいる世界へ行きたいって

思っていた。

 

そしてますます孤立する。

 

生まれた星に還りたいって

不思議な思考もあったので

秘かに荷物を纏めていたこと。

 

ファンタジーなのか

自分の内側で知っている何かが

そういう思考にさせるのか?

謎だが

 

辛い現実から少し逃れさせてくれても

いたと感じる。

 

当時の担任の先生は

「○○君のことは、忘れないでほしい」

と泣いていたが

 

忘れた人などいないのではないかと

思っている。